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高校教師が地理・世界史での実践をゆる〜〜く更新

人生の目的は成功すること?

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茂木さん、良いことをおっしゃられてます。

 

海外の複数の研究者が沖縄など長寿者が多い、日本人の健康寿命の長さの秘訣を探り、たどり着いたのが『生きがい』 という言葉でした。

 

最近主流の米国流の価値観では人生の目的は成功が全てであり、スター=幸せになれるのは一部の人間だけです。

しかし本来、日本人にとって『生きがい』を見出すことはごく当たり前のことで、成功を求めることとは違う生き様でした。

 

日本ではどんな立場の人にも尊敬の念と活躍する場に応じた生きがいがありました。欧米とは違った価値観を形成していたのです。

しかし、最近の日本人は米国流に影響されたのか、それを見失いがちになっています。

 

東京銀座のすし店『すきやばし次郎』の小野次郎さんは出店コストが安いという理由で寿司田を開きました。お客に1年中おいしいイクラを提供したいと言う思いで小さな工夫を積み重ね、ついにはグルメガイド『ミシュラン』で三ツ星を獲得するまでになりました。最初から成功を求めてそうしたわけではなく、生きる喜びを味わってきた結果が高い評価につながったのです。

 
仕事で成功収めることも大事ですが、幸せに生きることにはそれだけが正しい道では無いのです。生きがいを探すにはもっと身近な小さな事、極めてプライベートなものに着目することから始めればいいのです。例えば、学生時代に熱中した音楽や運動、趣味などはありませんか。長い人生の生きがいを探す上でヒントになる例は少なくないでしょう。
 
有名か無名かは幸せとは全く関係がありません。人生は地味でもいいのです。誰もが有名ブロガーになる必要は無いのです。自分を卑下したり、背伸びしたりする事は不要です。等身大の自分を受け入れれば良いのです。もし他人からの承認欲求を満たしたいと思うのであれば、身近な数人からはじめてみれば良いのではないでしょうか。
 
脳科学的に言うと、脳は他人のために何かをすることと、自分のためにすることをほぼ同じように嬉しいと感じます。自分が幸せになるには、他人のために何が出来るか考えてみることも大事なのです。他人を喜ばせようと自分が学ぶ事は他人のためになることであり、世の中に貢献することで感謝され、回り回って自分が幸せになるのです。利他性は結局自分の幸せを呼び込むことになるのです。
 
日経新聞朝刊 10月22日(月)
 
成功を何が何でも目指すと、息苦しくなる。
 
自分のため、人のためにたんたんと生きていければ良いなあ。