お金の正体を、中学2年生と若い投資銀行勤務の女性がボスから学ぶ話なのだが、何より小説として面白い!
お金の正体って? 僕は働いて給料もらって、生活費に使って、貯金して、いくらか株式投資をしている。そしてときに、お金がもっとあったらなぁ、銀行口座のお金増えないかなぁ、節約するか〜、とか思う。
けど、そこまでして欲しいお金は何のため?
ボスが言うことを僕なりの言葉で言うと、
人と人の繋がりの中で互いに助け合って生きていくなら極端な話、お金は必要がない。子供を保育園や学童に預けるためにお金を使っているが、地域で見てくれる人がいれば、そんなサービスは要らない。
全ての経済活動が、助け合いだけでどうにかなるわけではないけど、
お金があることで、知らない人に対して、何かお願いができるようになるのだ。
お金が信用度を数値として示す物差しとして分かりやすいのはいいが、行き着く先は お金が無いと生活できなくなってしまう人間になってしまう。
困ったときに頼れる友人、一緒に楽しみを分かち合える仲間。
お金はあくまでも、何かやってくれたことのお礼であって、それ自体に価値があるわけでは無い。
子供の面倒を見てくれるその行為自体に価値がある。
お金があれば人を動かせる、何でもできる…
いや、確かにそうかもしれない。けど、そう信じ込むのはなんか寂しくないか!?
仮に革命かなんか起きて、今持ってるお金が使えなくなったとしたら?
それでも、周りの人たちと協力してたくましく幸せに生きていけるだろうか?
すごく漠然と子供じみた言い方になるけど、
幸せな人生のためにお金があり、お金のために人生があるわけでは無い。
いい本でした。