社会科ネタ倉庫

高校教師が地理・世界史での実践をゆる〜〜く更新

【本】2冊目『きみのお金は誰のため』田内学

https://www.amazon.co.jp/きみのお金は誰のため-ボスが教えてくれた「お金の謎」と「社会のしくみ」【読者が選ぶビジネス書グランプリ2024-総合グランプリ「第1位」受賞作】-田内-学/dp/4492047352?nodl=1&dplnkId=5f3675e3-d1be-4fa7-9829-4ddb3e69ff2b

 

お金の正体を、中学2年生と若い投資銀行勤務の女性がボスから学ぶ話なのだが、何より小説として面白い!

 

お金の正体って? 僕は働いて給料もらって、生活費に使って、貯金して、いくらか株式投資をしている。そしてときに、お金がもっとあったらなぁ、銀行口座のお金増えないかなぁ、節約するか〜、とか思う。

けど、そこまでして欲しいお金は何のため?

 

ボスが言うことを僕なりの言葉で言うと、

人と人の繋がりの中で互いに助け合って生きていくなら極端な話、お金は必要がない。子供を保育園や学童に預けるためにお金を使っているが、地域で見てくれる人がいれば、そんなサービスは要らない。

 

全ての経済活動が、助け合いだけでどうにかなるわけではないけど、

お金があることで、知らない人に対して、何かお願いができるようになるのだ。

 

お金が信用度を数値として示す物差しとして分かりやすいのはいいが、行き着く先は お金が無いと生活できなくなってしまう人間になってしまう。

困ったときに頼れる友人、一緒に楽しみを分かち合える仲間。

お金はあくまでも、何かやってくれたことのお礼であって、それ自体に価値があるわけでは無い。

子供の面倒を見てくれるその行為自体に価値がある。

 

お金があれば人を動かせる、何でもできる…

いや、確かにそうかもしれない。けど、そう信じ込むのはなんか寂しくないか!?

 

仮に革命かなんか起きて、今持ってるお金が使えなくなったとしたら?

それでも、周りの人たちと協力してたくましく幸せに生きていけるだろうか?

 

すごく漠然と子供じみた言い方になるけど、

幸せな人生のためにお金があり、お金のために人生があるわけでは無い。

 

いい本でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

【本】1冊目 『82年生まれ、キム・ジョン』 チョ・ナムジュ

https://https://www.amazon.co.jp/82%E5%B9%B4%E7%94%9F%E3%81%BE%E3%82%8C%E3%80%81%E3%82%AD%E3%83%A0%E3%83%BB%E3%82%B8%E3%83%A8%E3%83%B3-%E5%8D%98%E8%A1%8C%E6%9C%AC-%E3%83%81%E3%83%A7%E3%83%BB%E3%83%8A%E3%83%A0%E3%82%B8%E3%83%A5/dp/4480832114?nodl=1&dplnkId=40f97db1-11e0-4958-917d-8a9d3669c568

 

日頃、奥さんが言ってることがこれでもかと語られる。いかに男が無自覚で、能天気に生きているかを突き付けられる本だった。

 

舞台は韓国で、家父長制の影響が強く、「弟から先にご飯がよそられる」ことや、「弟は新品のものが買ってもらうけど、私は姉のお下がり」のような日常の様子が語られる。

男中心社会、女性は男性と同じ働きしても出世はできず、あげく「どうせ妊娠、出産して仕事を辞めるのだから」と、会社も子育てをする女性を支えるつもりすらない。

親世代より古い人たちは、男の子を産みなさいとあからさまにプレッシャーをかける(そのせいで、妊婦が赤子が女と分かると堕胎させることが多く社会問題となった)。

 

男性からのセクハラも日常茶飯事…、とにかくそんな韓国社会を(よくある名前の)キム・ジヨンを通して描く。

 

 

韓国の話でしょ、とはならず、同じような問題は日本でもあるわけで。

自分も子供が生まれた時、奥さんに「これから一層、子育てと家事手伝うから」と言ったときに、

「あんたの子でもあるんだから、手伝うはおかしいだろ」と一喝されたのを忘れられない。

というか、自分の中に「子育ては母親がやって当然」という価値観があったことがショックだった。

 

作中で、ジヨンが旦那に「私は出産のために会社を辞め、社会との繋がりも失うけど、あなたは失うものがなくていいよね」みたいに話すシーンがある。

仕事を辞めないにしても、産休からの出産、育休を経て、復帰し子育てと仕事を両立することは女性なら当たり前みたいに思ってしまいそうだけど、僕ら男性はその変化の辛さを他人事として思い、家庭や職場で想像力を持って接することができているのだろうか?

 

他にもキム・ジヨンがつわりで苦しみながらも通勤する様子とか、日常のささいな描写が生々しく辛い。

 

これは韓国の物語であると同時に、日本社会に生きる人たちの物語でもある。

 

 

 

 

【ニュース】中国の反日行動 国内の不満の捌け口?!

https://news.yahoo.co.jp/articles/7c4394b82453d23de27ab5402092d1985c46b7f8

 

中国の若者(16-24歳)の失業率は20%以上(23年6月)だった。

大学卒でも、ホワイトカラーの職につけるとは限らず、若者たちの不満の捌け口として福島の処理水が利用されているのでは?という、分析をよく目にする。

 

外交は内政の延長というのが、よく分かる。

【ニュース】英連邦で君主制廃止論

https://www.jiji.com/amp/article?k=2023020200918&g=int

 

オーストラリアは現行紙幣では、エリザベス元女王がデザインされてたけど、新紙幣では先住民をモチーフにしたものになる。

 

オーストラリアは共和制への移行論もでていたり、英連邦(コモンウェルス)の存在意義も薄れているみたい。

カリブ諸国のジャマイカは共和制への移行、バルバドスは共和制になった。英連邦は植民地支配と結びついている。