熱い!
「ちゃんとやって!」「なんでできないの?」「頑張ってください」
自分が言いたい言葉ではなく「成長言葉」で話し掛ける。
成長言葉とは、、、
1.自信を与える言葉
2.道を示す言葉
→教え子は仕事の成功・失敗よりもはるかに、リーダーの言葉によってモチベーションが激しく上下するから。
しかし、耳障りの良い言葉や、優しげな言葉だけ言えばいいかというと違う。
最初は人を育てるのではなく、ダンスを教えることばかりに目を向けていた。だから、どうにかダンスは覚えてもらえたが、人間的成長を促すことはできなかった。
モー娘やAKBのような少女たちにダンスをさせるには技術だけでは足りない。なぜなら彼女たちは人生の経験値が少ないから努力の仕方を知らないし、歌は好きだけどダンスは苦手という子もいた。だから、ダンスを通じてどれだけ成長し、輝けるかというところに目線を持っていった。
→自分の伝えたい「押し付け言葉」から、相手が奮起する「成長言葉」へと明確美言葉を変えた。
「成長言葉」で人を動かすには、まずは相手がどんな言葉を好むかリサーチする。
「成長言葉」は、ビジネスでも子育てでも使える。いわんや、、
相手を観察していれば、いろいろなことが見えてくる。自分の言葉が伝わっていないのは、相手のことを良く知らないから。親子とて向き合おうとしなければ見えてこないことはたくさんある。
多数を教えるとき、、、
×「ちゃんとやって!」
○「ふざけている人がいるようだけど、ちゃんとやって!」
ダンスの経験、理解度、熱意、やる気、覚悟など、すべてにおいてレベルが違う集団をいっぺんに動かす最大の秘訣とは、全員を「一対一」のつもりで指導することです。
教え子が100人いたら「一対一を100人分」やる。
これをおろそかにして「一対多数」の気持ちで指導すると、言葉の使い方が押し付け言葉になってしまい、成長言葉には到底ならない。その結果、脱落者が続出してしまう。
→そのために、100人の教え子と「目を合わせる」こと。
「あなたに伝えてるんだよ」という気持ちで、相手が自分ごととして聞いてくれるようになるから伝わる確立がアップする。
→高橋みなみは、全員に向けられた言葉を「常に自分ごと」として捉えていたから、ダンスが最初からうまいわけではなかったが、急激に成長できた。
「一対一」で話をするときは、「頑張ろう」「いい感じだよ」のようなありきたりな言葉では伝わらない(一対多数なら良いが)。相手がどんな言葉を好んでいるのかを探って「成長言葉」で話し掛ける。
自信を失っている部下には「自信を与える言葉」
進むべき道を見失っている部下には「道を示す言葉」をかける。たったそれだけでいいのです。
ただ気をつけなければならないのは、成長言葉は日々変化するということです。指導者にかけてほしい言葉は、その日の気分や状態によって変わります。
成長言葉を見つけるということは、相手の状態を知るということでもあります。部下と接するときに常に「一対一」を心がけてほしいというのはそのためで、朝の挨拶などを通して、相手が落ち込んでいないか、逆に調子に乗りすぎていないか、日々刻々と変化する状態を把握する。それこそが指導者の務めなのです。
×「かっこいい言葉」や「嬉しい言葉」をかける。
○「自信を与える言葉」や「道を示す言葉」をかける。
人によって成長言葉は違う。
ノウハウを教えるのではなく、教え子の本質を見極めて、成長のお手伝いをする。
→教え子を観察し、教え子が求めている「成長言葉」を探り、長所や能力を見つける。
成長言葉の3原則
1.信頼関係を築く
2.環境を作る
3.観察する
相手と目が合っているかで信頼関係が分かる。
嫌われないために、部下と仲良くなろうとすると観察力が鈍る。
信頼関係を築くために
1.目を合わせ
→一対一で話し、相手が目を合わせるかどうかで分類する。
2.分類し
→目を合わせないグループは経過を観察する。体調や気分なのか、こちらに反発しているのか観察。
3.個別に話しかける
→改善の兆しが見えなければ個別に話しかけ、経過観察に戻る。
このサイクルを繰り返すことで信頼関係を作っていく。
教えるより伝える。上下関係でなく。
×「実力」を評価する環境を作る。
○「努力」を評価する環境を作る。
いい感じの部下に掛ける言葉は2通り
1.「その調子!」とほめて波に乗らせる
2.「調子に乗りすぎてるんじゃない?」と釘を刺す
以上の2通りだけ
人が悪い感じなるのはほとんど5つの原因
1.体調
2.プライベート
3.自信がない
4.やる気がない
5.ある種の自己主張
軽い会話からその原因を消去法で探っていく
私なら、教え子の調子が悪いときは「どうした?お腹痛いのか?」と声を掛ける。本当に腹痛だと思っているのではなく、その問いへのリアクションを観察するため。
やる気を失っている教え子に対して「なんでやってこないんだ」と叱責しても答えようがない。やる気を失っている教え子が求めているのは叱責よりも、再びやる気になれるような言葉です。
×喜ばせるためにほめる
○成長させるためにほめる
ほめる目的は2つ
1.人間関係を作るため
2.自信を与えて成長を促す
見た目をほめられても距離は縮まらない。内面(=お互い共感できるポイント)をほめる
「自身を持て」といわれても自信はつかない。教え子を観察して、長所を見つけてほめることで自信になる。それか、その場で優しい質問をして答えさせて「大正解」とほめる場面を作る。
緊張する本番前日に、「緊張しなくていいよ」、「大丈夫だから自由にやってみなよ」とは言わない。「今まで辛い練習に良く耐えた。その努力だけでもきみはすばらしい」この言葉が響くのは、それまでの厳しい指導の積み重ねがあるから。
ほめられてだけ伸びる人は存在しない。怒られたくないという予防線を張っているだけ。
ほめるのは成功したときより失敗したとき
1.本人が一番失敗を分かっているから
2.自信を与えてほしいと思っているから
失敗を叱責して部下は「ごめんなさい」と言うが、リーダーに謝った時点で本人の責任はすこし楽になってしまう。
謝ったことにより失敗の何割かが帳消しになったような錯覚に陥ってしまう。
みんなの前でほめる。個別よりも効果アップ。
×「目標を大幅達成するなんてすごいな」
○「目標を大幅達成するなんて、その努力がすごいな」とほめる。
売った個数で満足させてしまうのでなない。営業に取り組んだ姿勢、戦略、努力のような内面に注目してほめる。
「あの人よりできている」と他の人を引き合いに出してほめるのは逆効果。一時的に自信を得られたとしても、長い目で見れば本人のためにならない。そもそもスタート地点が全員違うから他人との比較は間違い。
身近な人と比べるのは、目標がその人になって、それ以上のレベルに目を向けなくなる。
その人の伸び率に注目する。
叱るとは「気付きを与えて成長を加速させること」であり、「道を示す言葉」につながります。いい状態をさらに加速させ持ち上げる側面のものです。
怒るのは自分のいらいらを相手に押し付けること、叱るのは計算。
部下を叱っていい条件は3つだけ
1.やる気が見られないとき
2.低いレベルで満足しているとき
3.ここで大きくステップアップさせたいとき
これ以外で叱っても効果は見込めないし、逆にこのいずれかの状況に該当したときだけ叱ればいいのです。
反発を恐れず叱らないと成長は頭打ち。ここぞと言うときにしかるから効果があり成長を促せる。
叱った後になにか簡単な宿題を出す。部下はチャンスをもらえ前向きになる
指導しにくいとはあくまでも指導者側の都合。自分が楽をするためにメンバーを叱るのはリーダーのやることではない。
×「だれだれさんうるさいよ」
○「うるさい人がいる」とぼかす
叱られるべきでない人も「もしかして自分か」と緊張感が生まれる。
×「なんでできないんだ!」
○「なんでできないんだと思う?」
できない理由はじぶんでもわからないから、質問してみる。