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高校教師が地理・世界史での実践をゆる〜〜く更新

【本】『スマホ脳』アンデシュ・ハンセン 著 

スマホ脳 (新潮新書) | アンデシュ・ハンセン, 久山 葉子 |本 | 通販 | Amazon 

スマホ脳の通販/アンデシュ・ハンセン/久山 葉子 新潮新書 - 紙の本:honto本の通販ストア

 

私たちは1日に2600回以上スマホを触り、平均して10分に1度スマホを手に取っている。起きている間ずっと。いや、起きている時間だけでは足りないようで、3人に1人が(18歳〜24歳では半数が)夜中にも少なくとも1回はスマホをチェックするという。

 

この本をぎゅぎゅ〜っと要約するなら…

上の言葉を見てゾッとした人は読んでほしい! 子育て中の方や、教育に携わる全ての方の必読書です!

 

 

以下に、読んで気になったことをメモしていきま〜す。 

 

 

 

自分に自信が無くなっていく…

SNSでは他人と比べることを強要されて、自分に自信がなくなっていく。

例えば、おしゃれなホテルで優雅にくつろぐ写真、友達とオシャレなカフェに遊び行った写真、かわいい子達で自撮りしている写真………

こんな”リア充”な写真を毎日見せられたら自分がいかにツマらない人間であるかを錯覚させられてしまうじゃないか。

SNSが普及する前なら、せいぜい学校とか職場の同僚が比較対象だっただろう。今や比較対象は日本や世界にまでなってる。そんな世界レベルの美女やイケメンの日常を毎日見せつけられたら”自信喪失”するよね!

 

著者は言う、

今の子供や若者今の子供や若者は、クラスメートがアップする写真に連続砲撃を受けるだけではない。インスタグラマーが完璧に修正してアップした画像も見せられる。そのせいで、「良い人生とはこうあるべきだ」という基準が手の届かない位置に設定されてしまい、その結果、自分は最下層にいると感じる 

 

20代が対象の調査では、半数近くが「SNSのせいで自分は魅力的でないと感じるようになった」と答えている。(中略)12〜16歳の回答者の半数近くがSNSを利用した後、自分の容姿に不満を感じる」という。

 

特に自己が確立する前の思春期の子達にとってはつらい。大人よりもダメージ大きいよな…。

 

 

もっともっと!を欲しがる脳 

人間の脳は「もっと、もっと」を欲しがる。そして、「次は もっといいものがある。次へ次へ」といく習性がある。

例えば、InstagramとかTwitter画面のスワイプが止まらないのは、この次に”もっと興奮させる情報”があると思ってしまうからだ。

だからスワイプは止まらないし、YouTubeのおすすめ動画を見続けて気づいたら深夜になっていた…なんて誰しも経験したことある話だ。

その時、僕たちの脳はドーパミンが出ている。楽しい嬉しいとか、興奮させるやつ。SNSはいかに僕たちにドーパミンを出させて、サービスを辞められなくするか。を、世界最高の頭脳がが全力で考え作っている。つまり、スマホを手放せないのは至極真っ当なわけ!

 

じゃあ、なんでネットサービスをやめさせられなくしてるか?

それは企業の利潤の向上のため。LINEは無料だけど、便利なサービスによって もはや日本人のインフラになってる。

だけどそれっておかしくない?いや怪しくない? 

ラインも営利企業であるから、うまいこと広告を差し込んでいるわけ。それはTwitterFacebookも同じ。Twitterの広告はうざい。けど、うまく僕らの趣味嗜好に合った広告を提示してくる。蓄積したデータ万歳! テレビ番組で流すCMよりはるかにターゲットを絞り込んで、万人受けではなく”あなたのために”伝える広告を打ち出せるわけだ。

 

 

脳は「新しいもの好き」が大好き。

例えば、スワイプしていけば”新しくて興奮する情報”が、”あるかもしれない”と思ってしまうのが僕ら人間の性。だから、ネットサーフィンはやめられない止まらない。もはや”依存”するようにSNSなどネットサービスは作られてるのだ。

 

そこで鍵となるのはドーパミン

脳には新しいことだけに反応してドーパミンを産出する細胞があり、よく知るもの、例えば「自分の家の前の道」と言ったものには反応しない。ところが、知らない顔のような新しいものを見ると、その細胞が一気に作動する

(中略)私たちの祖先が生きたのは、食糧や資源が常に不足していた世界である。この欲求が、新たな可能性を求めて移動するよう、人間を突き動かしていたのだろう。

(中略)パソコンやスマホのページをめくるごとに、脳がドーパミンを放出し、その結果、私たちはクリックが好きになる。しかも実は、今読んでいるページよりも次のページに夢中になっているのだ。インターネット上のページの5分の1に、私たちは時間にして4秒以下しか留まっていない。10分以上かけるページは、わずか4%だ。

 

報酬システムでは、ドーパミンが重要な役割を果たし、生き延びて遺伝子を残せるように人間を突き動かしてきた。つまり食料、他人との付き合いーー人間のように群れで暮らす動物にとっては大切なことーーそしてセックスによってドーパミンは量が増えるのは、不思議なことではない。だが、スマホドーパミン量を増やす。それが、チャットが届くとスマホを見たい衝動に駆られる理由だ。

ドーパミン恐るべし!

 

 

脳は「かもしれない」も大好き。

僕たちがスマホをつい手に取ってしまうのは、脳の仕組みをうまく利用されているから。その一つが、「かもしれない」。

 

報酬システムを激しく作動されるものは、お金、食べ物、セックス、承認、新しい経験のいずれかでもなく、それに対する期待だ何かが起こる”かも”という期待以上に、報酬中枢を駆り立てるものはない。

 

そこで、ネズミやサルを使ったこんな研究がある。

 1930年代の研究では、レバーを押すと餌が出てくるようにした実験で、ネズミたちは時々しか餌が出てこないようにした方がレバーを押す回数が多かった。いちばん熱心にレバーを押したのは、餌が出てくる確率が3〜7割の時だった。

 その20年後には、猿による実験も行われた。ある音が聞こえると、ジュースが少し出てくるようになっている。猿のドーパミン量は、音が聞こえた時点で増加し、むしろジュースを飲んでいる時よりもずっと多かった。この実験でわかるのは、ドーパミンが快楽を与える報酬物質ではなく、何に集中すべきか私たちに伝える存在だということだ。音が聞こえても、時々しかジュースが出てこない方が、ドーパミン量がさらい増えることがわかった。2回に1回という頻度の時に、もっともドーパミンが放出された。

 

当然、人間も同じでこんな実験がある、、

 お金がもらえるカードを被験者に引かせてみる。毎回お金がもらえると分かっていると、確実にもらえるかわからない時ほどドーパミンが増えない。ネズミや猿とまさしく同様に、ドーパミンが最も増えるのは2回に1回の頻度だった。つまり脳にしてみれば、もらえるまでの過程が目当てなのであって、その過程というのは、不確かな未来への期待でできている

 

脳は不確かなものより、確かな方を好みそうだけど? 

ドーパミンの最重要課題は、人間に行動する動機を与えることだから」

そうか〜、だからみんなギャンブルが辞められないのね!

こうなったのには理由があって、僕たちの祖先は食糧にありつくために美味しい果実を探し続けなければならなかった。仮に不味い果実を選んでも、諦めず行動し続けた者が食糧にありつけ生き延びていった。だから、「次は良いものに出会える”はず”!」が僕たち人類を生き延びさせてきたと言える。

 

「かもしれない」を好むから、スマホをやめられない。

たいていの場合、着信音が聞こえた時の方が、実際にメールやチャットを読んでいる時よりもドーパミンの量が増える。「大事”かも”しれない」事に強い欲求を感じ、私たちは「ちょっと見てみるだけ」とスマホを手に取る。しかもこれを頻繁にやっている。起きている間中ずっと、10分おきに。

 

 

「いいね」中毒

FacebookでもTwitterでも、「いいね」がついた時の嬉しい気持ちは誰しも経験があるだろう。ご褒美をもらえることで、「そろそろ、”いいね”ついてるかな〜。Facebook見てみーよう」となるわけだ。それが一回ではなく、1日に何度も。

 

 

「集中力」こそ現代の貴重品

ある学校で講義の記録をPCと手書きで取るグループに分けた。記憶の定着率は手書きの方が高かった…。

他にも、スマホが手元にある状態だと集中力は失われる。なぜなら、「LINEの通知が来るかもしれない」と思ってしまうから。スマホを開いていなくても、”意識はスマホに行ってしまっている”のだ。だから、勉強するときはスマホの電源を切って、カバンにしまたり、ロッカーに入れてしまったりする方が”集中力はUP”する

同じことは、誰かと話をしている時にも言える。例えば、友達とカフェで話していたとしよう。テーブルの上にiPhoneを置いて話をしていることはないだろうか。(仮にマナーモードにしていたとしても)その時点で、僕らの意識は目の前にいる相手だけでなく「連絡が来るかもしれない誰か」や、「最新のお買い得情報の通知」、「推しのアーティストの最新作発表」に意識がいっているのだ。目の前の相手と話しているようで、僕らの”意識の何割かはスマホに”いってしまっているというわけ。恐ろしい…。

 

ポケットからスマホを取り出すたびに、自分の意思で取り出したと思っているならそれは大間違いだ。Facebookやスナップチャット、インスタグラムを運営する企業は、私たちの脳の報酬系をハッキングする事に成功したのだ。

 

 

情報が記憶に入らない

分からないことがあれば「ググればいいじゃん」、「だから、細かいことまでいちいち記憶なんてしなくていいのさ」ってのは確かに一理ある。

だけど、本当いそれでいいの?

脳は使わなければそれだけ退化していく。情報がどこにあるかを記憶することを脳は優先してしまう。だから、どんな内容であるかは後回し。スマホが常にあればいいのかもしれないけど…。僕らは考えるために、アイデアを出すために知識が必要。知識をもとに共通点探したり、例外を見つけたり、組み合わせてみたり…思考しているわけ。だけど、知識が脳の中に無くてスマホの中にあるのだとしたら? 僕らは考えることができなくなるのでは? 細かい知識はスマホ開けばいいってのは、そりゃそうなんだけど。小学生のうちからそんなこと教えてたら、何も考えられないバカばっかになっちゃうぞ!

 

 ある実験では、被験者のグループに美術館を訪問させ、何点かだけ作品を写真撮影し、それ以外は見るだけにするよう指示した。翌日、何枚も絵画の写真を見せたが、その中には美術館になかった絵画も混ざっていた。課題は、写真が美術館で観た絵画と同じかどうかを思い出すことだ。

 判明したのは、写真を撮っていない作品はよく覚えていたが、写真を撮った作品はそれほど記憶に残っていなかったことだ。パソコンに保存される文章を覚えようとしないのと同じで、写真に撮ったものは記憶に残そうとしないのだ。脳は近道を選ぶ。「写真で見れるんだから、記憶に残さなくていいじゃないか」

これは、心当たりあるなぁ。

後で写真見ればいいじゃんって思うから、今に集中できない。

 

著者は、スマホに頼るほど知能が低下すると警告していて、、

脳はエネルギーを節約しようとするので、必要ない事には力を注がない。つまり、使わないでいると知能の一部が失われる危険性がある。脳にとっては「使うか捨てるか」なのだから。

スマホやパソコンはに多くのことを任せるにつれ、それを操作する以外の知能が次第に失われるのではと怖くなる。でももしかすると、知能の容量を解放して、何か別の大事な事に使えるようになるのでは? GPSが自分の代わりに目的地を見つけてくれレバ、集中してポッドキャストをきいたり仕事のことを考えたりする時間ができるはず。そう、おそらくそうだ。だが何もかも外部委託するわけにはいかない。世界と接し、相手を批評し、目の前の情報を精査するためには、ある程度の知識が必要だ。(中略)だが、私たちが愚かになる可能性もあるような気がする。自分で考えるのをパソコンやスマホに任せてしまうこともできるからだ。これがまさしく北欧のIQ低下傾向につながっているのだろう。

何か考えたり、アイデアを出すときには脳の中にある知識がベースになる。最低限の知識がないと、何も考えられない人間になりそう。

 

 

子供たちの学習とスマホ

子供達は馬鹿になっていくのか?? スマホによって毎日”刺激的な情報”を”無料”で見続けされたら。スマホのことしか考えなくなるだろうな。それを”自制”しろって、たまにできる子供もいるだろうけど、そんなのは少数派だろう。

スマホを使わなくなって学校の成績アップなんて事例は、みんな薄々感じてただろうけど納得のこと。僕みたいに社会人になってからスマホが普及した世代は まだいい。

だって、勉強の邪魔になるのはせいぜいゲームか、音楽か漫画か。それでも多い方だけど、”スマホの破壊力”に比べたらマシ。常にインターネットがポケットにあるのは最高な世の中だと思うけど、好奇心旺盛な子供にとったらどれだけ危険か。生活習慣としてスマホが有る無い世代では、集中力はどれだけ貴重なものであるか。

大学生500人の記憶力と集中力を調査すると、スマホを教室の外に置いた学生の方が、サウレントモードにしてポケットにしまった学生よりも良い結果が出た。

 これはさもありなん。

 

ポケットの中のスマホが持つデジタルな魔力を、脳は無意識のレベルで感知し、「スマホを無視すること」に知能の処理能力を使ってしまうようだ。

いつ通知が来てもいいように!って脳の一部がスマホに占有されてるってことか。

 

リンクを見ただけなのに… 

コンピューター上で普通のワード形式の文章を読んだ後、単語幾つかにリンクが貼ってある文章も読んでもらった。その後、今読んだばかりの文章について質問すると、リンクを貼った文章の内容を覚えていなかった。リンクをクリックしたわけではないのに。おそらく脳が常に「リンクを押すべきか否か」という決定をし続けたせいだ。その小さな決定の度に知能の容量を使い、限りある集中力と作業記憶の両方が削られたのだ。

 

以下はイギリスでの中学3年生にあたる子供たちへの実験

特に成績を伸ばしたのは、 勉強で苦労していた生徒たちだった。学校でスマホを禁止すれば、お金をかけずに生徒館の成績格差を縮められるというのが結論だ。

一部の生徒、特に成績上位の生徒は、スマホが益になることもあるかもしれない。(中略)だがそれ以外の生徒にとってはスマホは害にしかならない。

スマホがあっても、自制心が強く学習できる子もいるだろうけど。みんながそんなに立派ではない! 

 

 

子育てとスマホ

有名な話だけど、マシュマロテストというのがある。

マシュマロをすぐに一個もらうより、二個もらうために15分待てる4歳児は基本的に、すうじゅう年後に学歴が高くいい仕事についている。よくスマホを使う人の方が衝動的になりやすく、報酬を先に伸ばしにするのが下手だということだ。

 

我が子にもよくiPadで動画を見せてるけど、

大人にとったら、アプリのパズルと本物のパズルにはそれほど大きな違いはないだろう。一方、2歳児は、本物のパズルをすることで指の運動能力を鍛え、形や材質を感覚を身につける。そういった効果はiPadでは失われてしまう。

米国小児学会は「衝動をコントロールする能力を発達させ、何かに注目を定めて社会的に機能するには、遊びが必要だ」と指摘している。問題は子供達が遊ばなくなったことだ。「何もかもきっちり予定されていて、”遊ぶ”なんて時代遅れーー大人がそう思っている現代に。我々は生きている」

おままごとしたり、絵本読んだり、友達とかくれんぼしたり、砂場遊びしたり…

大人がどこまで付き合えるかで子供達の発達が変わると思うと、親の責任は重大だ。

 

子供たちの精神衛生の悪化とスマホは関係があるかもしれない。ただ、スマホ普及後にうつ病が増えているのは事実。

ストックホルムでは、13歳〜24歳の女性10人に1人以上が公営の精神科にかかっている。米国でも、うつの診断を受けたティーンエイジャーが7年で6割増えた。

 

どうすれば心の健康を保てるのだろうか?

PC、スマホタブレット端末を週に10時間以上使うティーンエイジャーがもっとも「幸せではない」と感じている。その次が6〜9時間使用する若者だ。つまり、4〜5時間以下の若者よりも「幸せではない」と思う率が高い。スクリーンタイムと聞いて思いうかぶすべてが、精神的な不調につながっていた。一方、それ以外のことをする場合、つまり誰かと会ったりスポーツをしたり、楽器を演奏したりすると精神的に喧嘩になる傾向があった。

(中略)合計12万5,000人の子供・若者を調査した結果をまとめると、1日2時間を超えるスクリーンタイムはうつのリスクを高めている。時間が長くなればなるほど、リスクは高まる。4万人の子供・若者を調べると、1日7時間以上使用する人はスクリーンタイムの短い人と比べると、うつと不安の症状が倍も多くみられることがわかった。

忙しいと、つい子供にテレビ見させてしまうんだよなあ。悪いことだと自覚しながら改善できればいいなと思う。

 

子供の頭を良くしたかったら? 簡単にできる方法がわかってきた。

8〜11歳の子供約4,000人に記憶力や集中力、言語能力を調べるテストを受けてもらった。スクリーンの前にいるのが2時間未満の子供達は結果が良かった。だが、スマホ以外にも要因があった。毎晩9〜11時間眠っている子供の結果が良かったのだ。運動している子供も同様だった。

(中略)研究者たちの結論は簡潔だ。子供たちが能力を発揮するためには、毎日最低1時間は体を動かし、9〜11時間は眠り、スマホの使用は1日最長2時間まで。この睡眠や運動、スマホの時間制限らごく現実的なものだ。だが、どのくらいの子供が達成できているかというとーーたったの5%だ。 

 

 著者はまた、ADHDについてこう語る、

常に周囲を確認して、以上なほど活発で、すぐに他のことに気を取られる。かつてはそんな性格のおかげで、危険を速やかに避けることができたのだ。(中略)今では、そんな衝動や感情のせいで集中できないと、教室でじっと座っているのが困難な子だと思われる。そしてADHDの診断が下るのだ。

じっとできないのは、(突然猛獣に襲われることない)安全な今の時代に適していないだけ。 

 

 

 

運動でストレスを追い払え!

集中力を上げるためには運動。運動をしてから、勉強をさせている学校は成績が上がったとか。言われてみれば、休み時間ずーっとスマホでゲームして、さあ授業って脳が動き出さないよね。切り替えられない。だったら、よっぽど友達と話してて、授業って方が切り替えられそう。いつも思うけど、スマホでゲームしている子供達の表情は押し並べて無表情。脳内ではドーパミンがブシャーって出てるだろうけど、顔は能面のよう。全然楽しそうじゃない。同じことは仕事してて、ずーっとPCと睨めっこしていると、誰かと話す時にうまくおしゃべりモードに切り替えられないって感じる。PC作業ずっとやってて、授業になると最初うまく生徒のリアクションについていけないみたいな。これって俺だけ??

 

こんな実験がある、、

約100人の小学五年生に4週間毎日運動をさせ、実験を始める前と終了してから一連の心理テストを行った。すると、集中力が増していただけではなく、一つのことだけに注意を向けるのも上手くなっていた。しかも、情報処理まで速くなった。驚いたのはほんの少しの運動でいいという点だ。運動は教室内で行われ、時間は毎日たったの6分間だったのだ

(中略) ゲーム前に運動をすると、ゲームも上手くなった。(中略) 現代の子供に足りないのは集中力と気をそらさない能力だが、わずか五分身体を動かすだけで改善されたのだ。面白いことに集中力の改善は特にADHDの子供に顕著だった。

 

著者は、運動すると学習効率が上がるのはなぜか? 以下のように分析する。

おそらく、私たちの祖先がよく身体を動かしていたから。狩りをしたり自分が追われた時に、最大限の集中力を必要としていたから。脳の大部分はサバンナでの日々から変わっていないので、身体を動かすと集中力は高まるーーと言うことだ。

 

こんな調査もある、

世界保健機構(WHO)によれば、現在10人に1人が不安障害を抱えている。興味深いのは、よく運動をしている人たちにはそれほど不安障害が見られないことだ

 

脳の観点から見ると、心拍数はあげないより上げた方がいい。といっても、早足で歩くだけでも驚くほどの効果がある。

 

 

開発者たちの懺悔 

Facebookのいいね機能を開発したジャスティン・ローゼンスタインは、Facebookの利用時間を制限する事にし、スナップチャットをやめた。本来は保護者が子供のスマホ時間を制限するアプリを自分で使う、なぜなら、「依存症ではヘロインに匹敵する」から。

・我が子のIT機器使用についてスティーブ・ジョブスは言った。「iPadはそばに置くことすらしない」、「スクリーンタイムを厳しく制限している」と。

ビルゲイツは子供が14歳になるまでスマホを持たせなかった。

Facebookの元副社長チャマス・パリハピティは懺悔する。「私たちが作り出したのは、短絡的なドーパミンを原動力にした、永遠につづくフィードバックのループだ。それが既存の社会機能を壊してしまった」

  

SNSiPadを開発した本人たちこそ、その怖さを自覚している。なんという矛盾!

 

 

睡眠で健康に

運動だけでなく睡眠もストレスを追い払うのに必要。スマホの”いいね”や”通知”が気になって寝れないんだろう。よく分かるけど、そろそろ子供達とスマホの付き合い方をどうにかしないと彼らの人生は? この国の未来は?どうなっていくのか心配になる。 

 

・1日6時間以下の睡眠が10日間続くと、24時間起きていたのと同じくらい集中力が低下する。さらに情緒も不安定になる。

 

・眠ることで短期記憶から長期記憶へと移動する。これを固定化といい、熟睡時に行われる。これは睡眠以外では補えないこと!学生に迷路の解き方を覚えさせ、その後昼寝したグループと起きたグループでもう一度迷路を解かせると、昼寝したグループの方がよく覚えていた。

 

 

 

変えた行動

以下、『スマホ脳』を読んで変えたこと。自分はどんだけ影響されやすいんだ!

 

・メモはiPhoneではなく手書き小ノートにする。アイデアやToDoとか。

life-st.jp

 

・目覚まし時計を買う。寝室にiPhoneは持ち込まない。

 

・アップルウオッチを手放す。

1年使って、Suicaくらいしかメリット感じなかった。通知に気を惑わされるのにサヨウナラ!

 

iPhoneはお休みモードにする。集中したい時は通知に気が散らないように!

 

・娘のスクリーンタイム減らしたいが…試行錯誤中(汗)

 

・職場にて、iPhoneは引き出しの中にしまう。目につくとこに置かない。

 

・手書きのスケジュール帳を買う。スケジュールアプリの使用頻度減らす。

 

・毎週、アイフォンのスクリーンタイムをチェックする。

 

・本読んだり、作業したい時にスマホは手の届く所に置かない。

 

・電車内ではカバンにスマホしまって読書。

 

まとめ

 著者はこう投げかける。

スウェーデンではなんと、大人の9人に1人以上が抗うつ剤を服用しているし、同様の統計が多くの国で見られる。この増加は、ここ数十年で私たちが裕福になり、GDPが上昇するにつれて起きた。良い暮らしができるようになったのにむしろ不健康になるなんて、いったいどういうわけだろうか。 

 

その問いに対して、

ほとんど全員が元気になれるコツがいくつかある。睡眠を優先し、身体を良く動かし、社会的な関係を作り、適度なストレスに自分をさらし、スマホの使用を制限すること。個人的んは、最も多くの人が心の不調を予防することが解決策だと思っている。解決法は薬箱の中にあると思いがちだが。

 と、答えている。

 

読めば読むほど、思い当たる節はある。薄々スマホの依存性を感じてはいたけど、いろんなデータで突きつけられてスマホとの付き合い方変える事にした。

 

自分の生活様式を変えた、今年いちばん面白かった本!

  

 

それでは、またね〜