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高校教師が地理・世界史での実践をゆる〜〜く更新

【本】8冊目『運動脳』アンデシュ・ハンセン 著 

運動脳 | アンデシュ・ハンセン, 御舩 由美子 | ビジネス・経済 | Kindleストア | Amazon

 

頭をよくするには? の答えは至ってシンプルだった … 

スマホ脳』でお馴染みの著者による本。いかに運動が脳にとって良い影響を与えるかを、さまざまな実験データを交えて解説をする本。たびたび出てくる文で「脳トレクロスワードをやっても頭は良くならない。運動には敵わない」と言う。なんかぼんやりと、ジョギングした後って、意識が冴えるし、饒舌にもなって元気になる実感はあった。それは本当で、心拍数が上がり、疲れすぎない運動は脳が活発になることがはっきりした。

 逆に言えば、ソファで寝転がってスマホしながら、ポテチやアイスを食べてる状態では脳は活性化しないってわけ。

 じゃあなんで運動は脳を活性化させるのか? 答えは、スマホ脳でも出てきたように、人間の脳はサバンナでいた時からさほど進化していないってことだ。狩猟をしていた時代は、獲物を追いかけたり、時には逃げたりすることが、まさに生死を分けることだった。体を動かす時にこそ、頭は冴えていないと生きていけなかったのだ。下の図の通り、人類にとってほとんどが狩猟生活だから、脳は情報化社会に適応しきっていない。

 

 

 しかも、うつ病にも運動は効く。薬を服用するよりも運動を行った方が、症状は改善するのだ。これも実験からわかっているけど、製薬会社にとっては不都合な真実。だから、大々的に報じられない。確かに、気分落ち込んでいる時にジョギングすると気分は変わる。しかも、継続してジョギングなどを続けるとより効果があるのだ!若者よ運動しよう。ガリ勉は時代遅れだ。やっぱり、アンデシュ・ハンセンの本は面白い!

 

・ミシェル・マックという米国人は、生まれつき左脳の90%が欠けていた。右腕や右足を動かすのが幼い頃うまくできなかった。(左脳は分析、理論など数学的、言語的中枢。右脳は芸術、創造的。)しかし、年を重ねるごとに体の動きも良くなり日常生活を送れる様になる。つまり、左脳の分を右脳が補っていった。抽象的な思考は苦手だが、記憶力が抜群に良い。例えば、年月日を適当に尋ねると、曜日を正確に答えることができる。

 

キム・ピークは左脳と右脳を連結する部分が不完全だった。歩くのが4歳からだったり発達障害の疑いが幼い頃にあった。しかし、字が読める様になると、全てを暗記。全米の郵便番号のリストからシェイクスピアまで。しかも左右のページを同時に読むことができた!左目で左ページ、右目で右ページ。ミシェルマックと同じく、年月日から曜日を答えられたので、いろんな人が聴きにきた。キム・ピューターとあだ名がついた。社交性は乏しく、一人で着替えられなかったが、研究に協力的だった。