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高校教師が地理・世界史での実践をゆる〜〜く更新

【本】9冊目『人新生の資本論』斎藤 幸平 著 

人新世の「資本論」 (集英社新書) | 斎藤 幸平 |本 | 通販 | Amazon

 

資本主義じゃない新しい形の社会はあるのか?

間違いなく気候変動や、貧富の差の拡大など現在の社会システムに歪みが生まれていることは確か。

資本主義の文脈の中で、マイボトル持ったり、エコバック使ったりする程度の「環境に意識してる風」じゃなくて、もっと根本的な解決方法を提案している。確かにマイボトル持って満足して環境に配慮してるオレ、みたいに思うこともある。

先進国は、グローバルサウスの国々などの資源を使い、自然環境を破壊して豊かな暮らしをしてきた。発展途上国の犠牲の上に成り立つ豊かな暮らしはいつまで続く?

EVにすれば二酸化炭素排出量が減る、と言ってもEVを普及させるために新規投資をして、また資源を消費していく。資本主義は終わりがないから、というか人間お欲望は終わりがないから、地球が滅亡しても資本主義は残った…なんて皮肉も生まれる。

コモンとは、水や電力、住居、医療、教育など公共財のことで、この管理を市民が自発的に行えば、必要以上のものを生産したりしなくて済む。必然、過剰な生産がなくなれば、過剰な消費もなくなり環境問題の解決にもつながる … 。

夢見たいな話だけど魅力的だ。

でも、株式投資で儲けることを考え、公務員として給料が保障されている身分の自分が心から、著者の考えに同意し行動できるかは自信がない。

環境問題がどうしようもなく危機に陥り危害が加えられない限り変わらないのかも…、そんな自分も情けないが、今ならやり直せる!っていう著者が同年代なので、刺激をもらった。